【BLUE】

絶え間ない時間…あまりにも長い時間、世界は戦いの渦中に在り過ぎた。

戦いが起こり、誰かが死んで誰かが生き残る。
それが当たり前で…誰も疑問を抱かなくなってきていた。

自分の身を守るので誰もが一生懸命で…。
強い人が思想や理想を掲げると、それが正しいと思ってしまうくらい世界は壊れていたのかもしれない。

みんな本当は心の中で平穏と安穏…静かに、それでも明るく光り輝く平和と未来を望んでいるはずなのに。



誰もそんなことを口にしなくなるくらい、世界は荒みきっていた。



少なくとも、僕が今まで生きてきた場所はそうだった。



「僕、本当にエックスに憧れてたんだ。」

貴方には青空が本当に似合う。

ずっと前にゼロが「エックスには笑顔と青空が一番似合う。」って言ってたけど、本当にそうだな…って、僕はつくづく思う。

「憧れだけでイレギュラーハンターは務まらない。…前にもそう言ったはずだけど、アクセル?」

貴方は意地悪で言ってるんだろうけど、その表情はとても綺麗で、目が離せなくなってしまう。

「わかってるよ。僕だって何時までも新米のイレギュラーハンターじゃないし、誰かを守るために強くなろうって決めたんだ。」

誰かを守りたいと思うようになったんだ。

それは、貴方がいつも言っているから…。

仲間や友、大切な人。

自分がどんなに傷ついても、そう心に呟いて立ち上がる貴方を間近で見るようになったから…。

僕も誰かを……貴方を守りたいって思うようになったんだ。

「僕はまだまだ強くなるよ、エックス。」

「なんでだ、アクセル。…力なんて…誰かを傷つけるものなのに…。」

貴方は“戦い”とか“力”が本当に嫌いで…でも、守りたいもののために傷つき続けている。

「戦いなんかが無くなるように。誰かのことを…エックスの事、守りたいから。」

これは僕の本当の気持。

貴方が見せてくれる正義は、いつかきっとみんなを幸せにするって信じてるから。

「大好きな人を守るために、僕はもっともっと強くなる。誰もが笑顔でいられる未来を、掴み取るために。」

僕が言うと、貴方は「そっか。」って笑ってくれた。


広く荒みきってしまった世界の中で見つけた輝く光。

貴方に会えたから、僕は自分の道を切り開く事ができた。

貴方が僕の一番に、何時の間にかなっていたんだ。

だからこそ、貴方と貴方の信じる道を、僕の持てる全ての力で守り抜いて行きたいと思えるようになったんだ。

貴方が見つめる青い地球の未来を、誰よりも貴方の側で見つめていたいから。


【END】




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